2017長良川河口堰県民調査団(2) |
2017長良川河口堰県民調査団(1)から続く。
http://tokuyamad.exblog.jp/28371641/
から続く。
2014年に長良川下流部での浚渫現場の見学がありました。
「そちらはあんまりデータを公開したがらないけど、どう考えても河床高が上がっている-実際は新たに『マウンド』ができているのでは?2004年10月の21号台風で8000㎥/sを流下させることができた、とそちらは宣伝する。ということは、『洪水流下のために浚渫が必要だ』としてきたことに、本当に論拠があったのか?」と国交省に追及してきた所為なのか、長いこと放っておいた下流部の河床を浚渫しはじめた。ところがそのときから、「全体の浚渫量は○○㎥、○年度は○㎥、×年度は×㎥、△年度は△㎥、・・・」という計画がさっぱり見えない。
「予算がついたらその分やります」みたいな話。
海津市生涯学習センターに来ていた木曽川下流事務所の調査課長氏に「(浚渫について)現在はどういう計画になっていますか?」と訊いたら「河川整備計画というのがありまして、その計画河道は・・・」と始めたので、遮って、「あとでメールを送りますので、数字を教えて下さい」と、こちらから打ち切りました。
バスの窓からちらっと見ただけですが、2014年の浚渫現場は放置されていました。他でやっている様子はありません。
◇ ◇
以前より一層「治水のための長良川河口堰」という”物語”が強化されていました。
1976年水害(安八決壊)を持ち出すのは以前通りですが、2004年21号台風についてはあまり言及せず(あの「墨俣で2mの水位低下効果」というのは実は今の河道で十分に洪水が流下できるという証明になってしまうのでマズイと気づいたのではないか、と推測するのだが?)、「2014年8月出水の水位低下効果1.6m」というのを強調していました。
この”「治水のための長良川河口堰」物語”によれば、
「上流にダム適地のない長良川の治水には河道掘削しかない」→「マウンドを除去しなければならない」→「塩水が遡上する」→「塩止め堰が要る。それが長良川河口堰」
「塩止め堰を作ったので農業用水が安定的に取水でいるようになった」。
さらに付随的効果(!?!)として「知多半島76万人に水道水を供給している」。
オイオイ、いくら何でも”物語”の歪曲の程度が酷すぎる。
「そのご説明、長良川河口堰は木曽川水系水資源開発基本計画に基づいて、水資源開発公団が建設したのだ、という基本のキを抜いていませんか?開発水の16%しか使われていませんよね。その16%も振り替えることができるから、愛知県の最適運用委員会は試験開門を求めているのですよね」と突っ込んでおきました。
昨年、新しくパンフを作成したとか(今年9月に増刷している)
「長良川河口堰はどう役立っているか」
http://www.water.go.jp/chubu/nagara/50_brochure/images/leaflet_nagara.pdf
愛知県の最適運用委員会を意識して、「(情緒レベルで)長良川河口堰は役立っている、環境改善もやっている」と宣伝しているのだな、と感じました。
◇ ◇
長良川河口堰現地でのお決まりの見学コース。
「呼び水式魚道」の見学。 ↓
情報公開請求に当たって、「まだ『形成過程』だから出さないって話はないよね」と迫った相手-出しました-。
ゲートの上での閘門とゲートから流下する水の見学。 ↓
一つはこの時期、アユの降下のために中央部(澪筋)の流速を増す操作を行っていること、
もう一つは、数日前の21号台風の雨の名残で全体の流量が比較的多く、また堰上流側の水位を徐々に下げる必要があること。
27日14:40現在
ゲート上部水位 0.89m、下部水位 0.19m
流入量:191.48㎥/s、流出量:209.71㎥/s → ゆっくり水位を下げているところ。
ゲート1門ごとの流量を知りたかったですが、出していない、とのこと。
アユの人工孵化 ↓
1976年安八決壊の現場。
(堤内側) ↓