「(仮称)米原風力発電所」という話(1) |
・10月5日 第60回人権擁護大会・シンポジウムに行きました[2017-10 -09]
http://tokuyamad.exblog.jp/28228800/
で、ちょっと「頭出し」をした件。
滋賀県米原市と岐阜県関ヶ原町・上石津町との県境の尾根に、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE。http://www.jre.co.jp/ )が、「(仮称)米原風力発電所」という計画をもって動き出している。
(株)シーテックが手をつけかけて今は止まっている「(仮称)ウィンドパーク南伊吹」からそう遠くない場所。


JREが示しているスケジュール表は以下。

「風況観測塔」を建てるときに、滋賀県に示した書類では「2000kW 6基」というような話だった。
風況調査の結果、よほど「良い条件の場所」と考えたのか、今は、「2000kW~3000kW」と規模が大きめになっている。
3000kWであれば、風車の高さは125mとなる。

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この件を報せて下さったのは、7月に「発起人・賛同人会議in関西-10・8山崎博昭プロジェクト」(※)で出逢った大阪府の方。
※ http://tokuyamad.exblog.jp/27981993/
このときに「もの言う」自由を守る会の会員になって下さった。
被災者の支援に福島を頻繁に訪れたり、脱原発の運動は活発にされていたが、風力発電については「原発よりよほどマシな発電」という程度の認識だった由。大垣警察市民監視違憲訴訟に関心をもつことで、初めて風力発電の問題性の認識も持ったとか。
この方のご実家が梓河内にあり、すでに空き家になっているので、時々、雨戸を開けて風を通すために故郷を訪れていたところ、9月に行ったときに区長さんから「JREという会社が風力発電所を作る、ということで7月に地元説明会が行われた。あんたの土地も関係するかもしれないから」と簡単な資料を渡されたのだそうだ。
驚いて、私にも報せて下さったのだった。
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私は私で驚いた。
選りにも選ってこの場所で周力発電所を計画するかぁ?と.
伊吹山から続く山稜は「イヌワシのメッカ」として有名である。
滋賀県は、他府県に比べて、「イヌワシ・クマタカの保護」という観点から、風力発電について厳しい姿勢を持っている。
・ 猛禽類と風力発電・滋賀県の場合[2014-10 -31]
http://tokuyamad.exblog.jp/23215883/
下の図は、「滋賀県イヌワシ・クマタカ保護指針」の68ページ。

このことは、 JREも「文献調査」的なレベルで十分に分かっているはずである。
つまり分かっているけど計画する、イヌワシ・クマタカなどで計画を引っ込めだりはしない、と宣言しているようなものである。
なかなかチャレンジングな会社だ。
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ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)。
http://www.jre.co.jp/
資本金276億円。本社は東京の六本木ヒルズ。
出資しているのは、ゴールドマン・サックス、シンガポール政府投資公社。
まずは太陽光発電の全国展開から始め、今は、風力発電所計画を並行的にいくつも手がけている。
JREのサイトから拾った。
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☆(仮称) 宮城加美風力発電事業 環境影響評価方法書の縦覧
2017.8.14-9.12 (宮城県加美町)
☆「(仮称) 北海道八雲町風力発電事業計画段階環境配慮書」の縦覧
2017.5.10-6.9 (北海道八雲町、長万部町、今金町)
☆(仮称)八幡岳風力発電事業 環境影響評価準備書の縦覧
2017.4.21-5.24 (青森県七戸町、十和田市、青森市)
☆(仮称)鶴岡八森山風力発電事業 環境影響評価準備書の縦覧
2017.3.8-4.7 (山形県鶴岡市)
☆(仮称)折爪岳南(Ⅰ期地区)風力発電事業 環境影響評価準備書の縦覧
2017.2.28-3.30 (岩手県九戸村、一戸町、二戸市)
★響灘ウインドエナジーリサーチパーク建設工事の起工式
2017.2.13 福岡県北九州市若松区響町
☆(仮称)宮城加美風力発電事業 計画段階環境配慮書の縦覧
2017.1.4-2.3 (宮城県加美町)
☆(仮称)折爪岳北風力発電事業 環境影響評価方法書の縦覧
2016.10.11-11.10 (青森県二戸市、軽米町、南部町、三戸町、八戸市)
☆(仮称)折爪岳南(Ⅱ期地区)風力発電事業 環境影響評価方法書の縦覧
2016.10.6-11.7 (岩手県九戸村、一戸町、葛巻町、二戸市)
★中九州大仁田山風力発電所竣工式を開催
2016.9.28 (宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町、東臼杵郡諸塚村)
★九州大仁田山風力発電所の営業運転を開始
2016.9.3 (宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町、東臼杵郡諸塚村)
☆(仮称)八幡岳風力発電事業 環境影響評価方法書の縦覧
2016.6.30-7.29 (青森県七戸町、十和田市、青森市)
☆「(仮称)折爪岳南(Ⅰ期地区)風力発電事業 環境影響評価方法書」の縦覧
2016.2.16~ (岩手県九戸村、一戸町、二戸市)
☆「(仮称)第二中九州大仁田山風力発電事業 環境影響評価方法書」の縦覧
2016.2.3~
☆「(仮称)鶴岡八森山風力発電事業 環境影響評価方法書」の縦覧
2016.1.26~
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配慮書 →方法書 →準備書 にそれほど時間をかけることなく、かなりのスピードで動いている。
◇鶴岡八森山風力発電事業:方法書~準備書まで1年2ヶ月ほど
◇(仮称)折爪岳南(Ⅰ期地区)風力発電事業: 方法書~準備書まで1年弱
(折爪岳周辺では「南第Ⅰ期、第Ⅱ期、北」と3箇所が並行的に進められている。かなり大規模)
◇(仮称)宮城加美風力発電事業 配慮書~方法書:7ヶ月
こういう調子だと、行政や地元に示した「スケジュール表」を遅滞なく実行していく力量がある、ということらしい。
手強そう。
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