11月22日、「現地視察」下見行 |
12月2-3日、以下のイベントが開催される。
長良川/洛東江/諫早湾のゲート開放をめざして
2017 開門シンポジウム

詳しくは、チラシPDFファイルをご覧下さい。 ↓
http://dousui.org/dataroom/pdf/20171202_KaimonShinpo.pdf
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11月22日、イベント二日目(12/3)の「現場視察」の下見に行った。
コースの所要時間や、下車して説明するポイント、昼食を摂れる場所などを確認し、全体にかかる時間も測っておかねばならない。

普段は施錠してある長良川左岸の木曽川との背割堤を通りたいので、木曽川上流河川事務所長良川第二出張所に寄って、カギを借りておかねばならない。
基本的に堤防道路を突っ走るとはいうものの、結構距離がある。
以下、
・2017長良川河口堰県民調査団(1)(2)
http://tokuyamad.exblog.jp/28371641/
http://tokuyamad.exblog.jp/28371683/
・(2012年)11月15日 長良川河口堰県民調査団 参加
http://tokuyamad.exblog.jp/18173259/
もご参照を。
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1976年9月の長良川堤防決壊現場(河口から35km付近)。



よく使われる決壊翌日(と思われる)の航空写真。

下が名神高速道路、上が東海道新幹線。
一部を拡大してみる。

上の航空写真の名神高速道路の少し南で泥水が止まっている。
これが輪之内町を決壊による洪水の流入から守った輪中堤-十連坊(河口から32km付近)。


十連坊の堤の切り割り(旧道)。当時は両側のコンクリートにつけられた溝に板を差し込み、そこに土嚢を積んで水を防いだ。 ↓


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「ゲートを上げて塩水が遡上すると煙害が起こる」という国交省や岐阜県の主張は、一つには長良川から取水する農業用水(長良川用水)に塩分が入る、というものである。
河口から約29kmの勝賀揚水機場、そして河口から25km付近の新大江揚水機場から取水する農業用水が危ない、というのである。それは本当か?
(実際には起こらないような塩水遡上の図をもって説明している虚構にすぎないと考えるのだが?)


そしてもう一つの「塩害」主張は、長良川を遡上した塩水が地下水に入り込んで塩害を起こす、というのである。
「長良川サービスセンター」(河口から23km付近)のそばで、高須輪中での地下水の塩分濃度の測定のための管を見る。
測定管の傍に直線的に並ぶ不思議なパイプは暗渠排水設備の一部。

<暗渠排水設備>
多孔式暗渠排水管(径5㎝)を耕作地の地下に埋設。
埋設の深さ(管下面)は地表面から65㎝(~70cm)、管の間隔は10m×10m。
暗渠排水管の周囲に、管下面からの高さ50㎝、幅15㎝×の籾殻フィルターがあり、その上15㎝を耕作土で覆土。
堰建設による地下水位の上昇を建設前程度に低下させる補償義務の履行として、県営圃場整備事業(これは高須輪中整備事業でお土産事業)に合わせて、委託施工して行われた。

この暗渠排水設備の工事は下図のピンクで囲った部分に施されている。 北側213.5ha、南側209.5ha。仮に長良川本川に遡上した塩水が地下に入ったとして、この設備によって耕作土の上がってくる前に排出されると思うのだが?

河口堰建設後の観測によれば、地下の塩分は少しずつ西側(揖斐川側)に移動している。長良川の水位が恒常的に高くなったことによって増した圧力により、塩分が押されて移動したと考えられる。
ここでは本川の堤内側の倢水路の堤防側が押されて歪んでいる。

すでにコンクリート施工の面に亀裂が入り始めているから、放置すれば崩れてくるが、さてどうする?・・・この「崩れ」の進行を遅らせる一つの方法は、恒常的にゲートを開放して長良川の水位を下げることだが?
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当日の昼食、木曽三川公園センタ-のレストランを当てにしたが「イベント関西中」だとかで、予約を受けて貰えない。
桑名市内の入って探してみたが、うまくみつからない。
30人が一度に食事ができる場所はそうそうないので、スマホも使って探してみたが・・・結局、長島町で一つ見つけることができた。

木曽川―長良川の背割堤を通ると、止水域となってしまった長良川の淀んだ風景とケレップ水制の残る木曽川の佇まいとの落差を改めて感じる。
川は流れてこそ、である。

