なぜに今更隠す、イラク「派遣」日報 |

「日報」のようなものが存在することは、南スーダンPKOで周知のこととなっているし、たとえ情報が古くなろうが、少なくとも「防衛研究(軍事研究)」資料として保存していることは、ちょっと考えれば誰でもわかること。
そして十数年前の「派遣」中にはとても表に出せないと考えたとしても、名古屋高裁で9条1項違反の違憲判決を食らって(確定して)いるものを今更隠してどうするの???
およそ官僚組織には隠蔽体質があり、防衛省は、その中でも突出して隠蔽を当たり前とする体質があることは知っている。
しかし、それにしても、なお、何のために、何を狙って、「イラク日報」を隠蔽するのか、私にはよくわからない。
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参考になるかどうかは不明だが、2009年9月に全面開示された(※)週間空輸実績をネット上にアップしているので、下にURLを貼り付ける。
まず、視覚的な「黒塗り」と「開示」の比較画像をば。
(例としてH18.7.4の「報告」の1枚目 )


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イラク派兵時「週間空輸実績」全面開示公開用URL
◇04年3月~06年夏 週間空輸実績開示(日付は「報告」の日付)
・開示文書リスト
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/04karalist.pdf
・04年3月9日付~04年9月28日 2.09MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/040309-040928.pdf
・04年10月4日~05年6月29日 2.50MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/041004-050629.pdf
・05年7月7日~05年12月26日 2.35MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/050707-051226.pdf
・06年1月4日~06年6月28日 3.12MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/060104-060628.pdf
◇06年夏~08年12月まで
・開示文書リスト
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/list.pdf
・06年7月4日付~06年11月14日付 2.45MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/1(180704)-20(181114).pdf
・06年11月22日付~07年4月5日付 5.51MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/21(181122)-40(190405).pdf
・07年4月11日付~07年8月23日付 5.49MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/41(190411)-60(190823).pdf
・07年8月29日付~08年1月9日付 4.10MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/61(190829)-81(200109).pdf
・08年1月18日付~08年5月23日付 3.77MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/82(200118)-100(200523).pdf
・ 08年5月30日付~08年9月26日付(08.1203変更を含む) 3.77MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/101(2005309-119(henko).pdf
・ 08年10月7日付~08年12月19日付 3.30MB
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/201007-201219.pdf
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※「政権交代効果」としてマスコミ的には取りあげられたが、単純にそうでもない。
「完全撤退」後の2009年2月に開示請求を行ったことへの相変わらずの黒塗り開示が2009年5月。
「徳山ダム導水路」問題で、超忙しく(5月に名古屋市長が「撤退」を口にし、それを受けて「徳山ダム導水路は要らない」を緊急出版したのが7月、という時期)異議申立は期限切れギリギリの7月。
その異議申立を認容する形式で全面開示してきたのが、「政権交代」後の組閣の6日後の日付。
北沢大臣就任後に、新たに指示しただとしたら(役所仕事としては)迅速すぎる。
あとから防衛省の文書課に「逆取材」をかけてみたが(言質を与えない慎重な言い回しだが)、「政権交代」総選挙前の7月末から8月の初頭には全面開示を検討していたようだ。 「(防衛省としては)完全撤収後には全面開示するつもりだった」という柳沢協二さんの(ここ数年の)発言からしても、多分そうなのだろうと思う。
ついで:
この「全面開示」された数百ページの資料を読み込む力(物理的・時間的な事も含め)はなかったので、東京新聞の半田滋さんに、書留速達で開示資料を送って記事にして貰った。

週間空輸実績全面開示 2009年10月6日付け東京新聞記事
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota12/20091006tokyo.pdf
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