JRE「米原風力発電」、地元の反対で実質上中止へ |
http://tokuyamad.exblog.jp/28462709/
• 「(仮称)米原風力発電所」という話(2)
-JREの「配慮書」を巡って [ 2017-12 -19]
http://tokuyamad.exblog.jp/28897243/
• 「(仮称)米原風力発電所」という話(3)
-JREの「配慮書」を巡って その2[ 2017-12 -22 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/28929649/
• 「(仮称)米原風力発電所」という話(4) -JREの「配慮書」を巡って その3 [ 2018-02-047 ]
https://tokuyamad.exblog.jp/29465819/
の続き。
JRE(ジャパン・リニューアブル・エナジー)が計画してきた「(仮称)米原風力発電」。
8月22日、JREは環境アセス手続きの中断を関係各自治体に伝え、事実上の計画断念に追い込まれた。
京都新聞はすでに22日の時点で、1面で報道したそうだ。
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実は、この3月はじめ、事業地である梓河内地区で「反対決議」があり、地区の共有地の土地取得の見通しが消えた。
その少し前には、個人地主数名の「絶対に譲らん」という意思表示もあり、環境アセスも何も、そもそも事業地の取得の目途がつかない状況に立ち至っていた(その時点で広く状況を公開するのはいろいろな意味でヤバいのでブログアップは控えていた)。
記事によれば、JREは「地元から健康被害の懸念が出された」ことを理由として挙げたようだ。
それはそれで大変重要な事(風車が回る限りゼロにはでいない騒音+低周波音。それが人の健康に直接影響する)だが、梓河内地区の反対決議の主要な理由は、「尾根近い場所の伐開による土砂災害」の懸念であった。
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2017年晩秋には”区長個人”が「調査立ち入り」に同意したりて、かなり不安でしたが、地権者で、地元の長老格の方が
「自分は絶対に(JREには土地は)売らんよ。あの山は、植林をしてきた河内の山の中で、ただ一つ残された『かなぎ生え(雑木)の山』で、河内で一番紅葉のきれいなところ。保安林の指定も受けている。草もよう生えてるから、動物もようけ居る。けど、ここは『岩ぐさり』の山で、この前の台風で前のも入れると3回(斜面が)崩落していて、新設の林道も通れない。付近には急斜地崩壊危険区域もある。そんなとこを、しかも尾根を160町(ha)も削ったら、山が崩れて、河内も埋まってしまう」
と熱心に説かれて、そもそも風力発電のことに無関心だった人をも説得したそうです。
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「区」として反対決議となれば、JREは共有地の取得はできない。
数人の個人地主も「自分は絶対に(JREには土地は)売らんよ」という方が過半数。
そして、実はこの規模の「発電施設」は法的には強制収用のために「事業認定処分」の申請も可能なのだが、経産省資源エネ庁の担当課は、強制収用にはネガティブ。担当者曰く「非代替性がない(=他でもできる)」と。
そりゃそうだろう。「風力発電というのは強権的なはコワイ事業」というイメージを振りまいてしまうことは、「国策推進」にとってプラスにならない。
「申請は可能」でも、「国策推進」(担当省庁の尻押し)がなければ、民間事業に「事業認定処分」がなされることは考えられない。
土地取得の目途が立たない事業に、環境アセスのための費用をかけることは、企業の利益にならない・・・だからやめた・・・・
大筋はそうなのだろうが、8月22日に各関係自治体に「環境アセスの中断」を告げて歩くことになった(※)のは、JREの事業に固執する余りの大チョンボ(地元-行政としての米原市を含む-を激怒させるようなことをやらかした)があった所為だそうだ。
(※「黙って引き延ばし、やり過ごして、いつの日かのゾンビのごとくの復活を狙う」では済まなくなった)
公安警察の住民運動潰しの手先になって何とかしようとした中部電力子会社シーテック社。
それよりは、ゴールドマンサックスの資本の入った外資系企JREのほうが、もう少しスマートな手で押し通してくるかと思ったら、ダメさの水準はドッコイドッコイだった、というお粗末。
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とにかく「経済成長(カネ儲け)至上主義」「都市が必要としているから田舎に作る(ことを押しつける)」は、もう終わりにしてほしい。
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