木曽川水系流域委員会 再開したんだって! |
木曽川水系河川整備計画が策定されてから1すでに0年も経つのだから中間的な評価・見直はあるべきで、そうだとすれば再開は当然といえば当然だ。
だが1997年河川法改正のとKに、鳴り物入りで16条の2第3項を位置づけたわりには、ひっそりとしすぎではないか?
中部地整の「新着報道発表」を毎日のようにチェックしていなければ、再開に気づきようもない。・
ホンネは一般市民の傍聴など歓迎しない、ということなのだろう、と勘繰ってしまう。
「治水」とは河川管理者のみではなんともならない、「流域住民とともに考え、行動する」というふうに舵を切ったのが河川法改正ではなっかたのか?
河川行政は、明らかに後退している。
中部地整河川部のトップページからは直接アクセスできない。
中部地整河川部トップ
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/index.htm
≫委員会等 http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/iinkai.htm
≫流域委員会 http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/ryuuiki/index.htm
≫木曽川流域委員会
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/kako/kako_gakusiki_tenken.html
「木曽川流域委員会」は「木曽川水系河川整備計画」の中の「学識者から意見を聞きました」の画面からアクセスできる。
私は、「木曽川流域委員会」は、当然のことながら「お気に入り」に入れている。
しかし、この画面、一見、何年も更新されていないようにみえる。
何年間も「同じ」にしかみえないのだから、頻繁にチェックする気にはなれない。
何よりも、この画面では「開催予定」の告知はないのだから、開催予定を知るには、中部地整の「新着報道発表」を毎日のようにチェックするしかないのだ。
木曽川水系への「関心」の程度は低くないつもりだが、木曽川水系ウォッチに専念してしているわけではないので、告知を知るのは難しい。
関心を持つ流域住民をも遠ざける「流域委員会」というのでは、河川法16条の2第3項の本来趣旨を逸脱していると思うのだが、如何?
◇ ◇
木曽川水系河川整備計画を策定した(淀川水系流域委員会とは似ても似つかぬ)木曽川水系流域委員会。
たまたま「平成30年度第3回 10月4日開催」の情報に接したので、傍聴に行った。
つまりは、傍聴している私(たち)も「10年歳取った」ということ。
今日(10月12日)現在、いまだに「平成30年度第3回」が
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/kako/kako_gakusiki_tenken.html
にアップされていないのは、いかにも酷いが、「どうしても早く資料をアップして欲しい」というほどの中身はない。
この日は「木曽川総合水系環境整備事業」が議題。
「水辺整備」というのは、町興しのためのミニ観光開発なのか?
「自然再生事業」のほうは、委員からも指摘されているように、どの時点ののどういう環境を「再生」するのかは、きちんと検討された形跡もなく「テキトー」としか思えない。そして「木曽三川下流部のヨシの再生」など何度同じようなことをやったことか(つまり元の木阿弥になる、根本的な対策は講じないのだから)。
結局は「そういう予算の項目があるから事業を行う」という類いの予算消化のための事業なのか?
◇ ◇
「話題提供」として「平成30年7月豪雨による木曽川水系の出水状況」。
特段、木曽川上流河川事務所が7月末に出した「第3報」より新しい情報はなかったように思う。
私が引っかかったのは、木曽川上流河川事務所長の発言。
岩屋ダムが「異常洪水時防災操作(通名「但し書き放流」)」を行った、という話の続きで
「徳山ダムと岩屋ダムの集水域(流域面積)はほぼ同じ。徳山ダム上流に同様の雨が降ったら、徳山ダムの洪水調節容量1億2300万 ㎥ もいっぱいになって異常洪水時防災操作を行わざるをえないことになっていた」。
どういう意図でそういうことを言ったのかは今一つわからなかったが、ニュアンスとしては「とても危険だったかもしれない」という感じ。
意図はどうであれ、根拠も示さない以上、情緒的な発言でしかなく、かつ、どう考えても「科学的根拠を欠く。おかしい」。
「木曽川水系」の河川管理に責任をもつ立場の専門技術者の発言か!メチャクチャな議論だ!ということに私は立腹した。
◇ ◇
1)「流域面積はほぼ同じ」
直接流域面積でいうと、岩屋ダム=264.9㎢、徳山ダム=254.5㎢ で確かに「同じくらい」。
しかし岩屋ダムは 間接流域面積(ダム上流で、そのダムが雨量を受け止めねばならない面積全体)が、770.0㎢あるのに対して、揖斐川最上流部の徳山ダムは間接流域面積はゼロ。
条件が全く違うのに「同じ」みたいに言うか?
2)洪水調節容量
「徳山ダムの洪水調節容量1億2300万 ㎥ 」を言うなら、「岩屋ダムの洪水調節容量はその40%ほどの5000万 ㎥ 」にも言及しないと、聞いている人間には何も綱割らない(誤って伝わる)。
翌5日に、木曽上の調査課に「堰になる立場なんだから、意味不明の発言をするな、と所長に伝えておいて」と電話した。
そして徳山ダムのあり方(存在の位置、大きさ、その他)からして「ただし書き操作」が、一般のダム、例えば愛媛県の野村ダムや鹿野川ダムのように、すぐに「注入量=放流量」にはならないだとう、という推測で、「徳山ダムただし書き操作要領」を貰うことにした。
翌日10月6日に徳山ダムに見学に行くことになっているので。
◇ ◇
「徳山ダムただし書き操作要領」も受け取ったが、木曽川上流河川事務所長の発言のウラとなるべき資料が渡された。
「岩屋ダム流入量データを徳山ダム流入量として試算」
■木曽川上流発表「7月豪雨第3報」から。
7月豪雨 岩屋ダム 流入量 1億4060万㎥
流域平均累計雨量 772 mm
24号台風 徳山ダム 流入量 1283万㎥
流域平均累計雨量 174.5 mm
★雨量 772mm÷174.5mm 約4.4倍
→ 流入量 1283万㎥ ×4.4倍
約5676万㎥ (大きめにみても5700万㎥)
徳山ダムの洪水調節容量1億2300万㎥ の半分以下。
あえて逆の計算をしてみた。
★流入量 1億4060万㎥÷1283万㎥ 約10.96倍
→ 雨量 174.5 mm ×10.96倍 1912.52mm
「絶対に起こらない」などと断言はできないが、1900mmの降雨など1/数千(数千年に1回)のレベルか
原発裁判で裁判所が言う「社会通念上無視しうる」というフレーズを使えば、完全に「無視しうる」話である。
この試算をすることで、何を導き出したかったのか?
私には今もって不明なのだが。
◇ ◇
およそ責任ある立場の人間が、こんな与太話に近いことを公的な場で口にすべきではない。
「治水/洪水対策」は、河川管理者がハードの整備を必死に頑張ってどうにかできるものではないことは、すでに河川管理者自身が認めているところである。
データはまじめに取り扱い、流域住民と真摯に話し合って、河川行政を進める・・・当たり前の立脚点にしっかりと立って貰いたい。
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H29年第1回の資料で気になった部分。
直轄区間ですら、整備率は半分を少し超える程度。
ヤバイっしょ、この状況。
徳山ダム導水路の建設費890億円の65.5%、約583億円が「治水」費用。
役にも立たないどころか環境大破壊の徳山ダム導水路なんかに「治水」の費用を使うなんてトンデモナイ!
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