20181023長良川河口堰県民調査団 |
20181023長良川河口堰県民調査団
10月23日、長良川河口堰県民調査団に参加してきた。

平成30年度長良川河口堰県民調査団を実施します
https://www.pref.gifu.lg.jp/event-calendar/c_11652/H30tyosadanh.html
長良川河口堰県民調査団は、1992年度(平成4年度)に設置された「長良川河口堰調査検討会」の下に位置するもので、検討会委員の他に誰を参加させるかは、実質事務局である河川課が決めているらしい。
2004年から「公募」という形で、一般県民の参加も受け付けている(ほんの数人程度)。
だが、上記のように「募集」をかけるのだが、時期は必ずしも一定でないので-9月初めのときも11月終わりのときも-、河川課ホームページか報道発表資料を見落とせば、応募し損なうことになる)
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岐阜県河川課ホームページ
長良川河口堰調査検討会
https://www.pref.gifu.lg.jp/shakai-kiban/kasen/dam/11652/kakouzeki.html
長良川河口堰調査検討会設置要綱
( 設 置)
第1 条 長良川河口堰は、管理に移行したが、県は長良川の防災対策及び自然環境の保全対策等について、湛水した状況で、これらの機能が十分果たされているかなどを検討する必要があることから現地を確認し、その結果、なお検討を要する事項については意見聴取を行い、長良川の安全性を高め、自然環境の保全を図
るため、長良川河口堰調査検討会( 以下「検討会」という。)を設置する。
(現地確認)
第5 条 県は、第1 条の目的を達成するため、長良川河口堰県民調査団を編成し、現地確認を実施す
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昔の「県民調査団」のありようはよくわからないが、ホームページに残る
長良川河口堰県民調査団の実施状況
https://www.pref.gifu.lg.jp/shakai-kiban/kasen/dam/11652/kakouzeki.data/1-3.pdf
の「回数」「調査メンバ-」「参加人数」からすると、漁協も「反対」の旗を降ろし、ほぼ本体が出来上がってきても、なお岐阜県民の中にくすぶる長良川河口堰への不審や不満を抑え、「ガス抜き」するために、さまざまな団体関係者を連れての「昼飯付きバス旅行」を仕掛けた、ということらしい。
なお、「公募」が始まった2004年度以降は、ずっと年1回である。私たちが「公募」を知って参加し始めたのは、長良川市民学習会ができて以降だが、「昼飯」にかける費用が次第に節約に傾いていることを感じている。もちろん、そんなところにお金をかけて貰いたくはないが。
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9時に岐阜県庁前出発。
今にも降り出しそうな天気で、「何とかもってくれれば良いが」と思う。
最初の見学地は「長良川大宮陸閘」。7月豪雨のときに、2004年以来、14年ぶりに閉鎖した、ということで見学対象にしたらしい、
駐車場は岐阜公園の中。前に岐阜公園の中に足を踏み入れたのは、多分20年以上前。
もし天気が良かったら、三重の塔がある景色がサマになっていたかも。

陸閘は、5車線ある長良橋通りに面して設置されている。

閉鎖訓練は長良橋通りを通行止めにしなければできないので、毎年真夜中に行っている。
今回の陸閘閉鎖も真夜中の時間帯だったので、大きな影響は出なかった。

ここで配布された資料は、木曽川上流河川事務所の発表文書からの抜粋だった。
(なので特に目新しいことなし。 木曽上の調査課長に直接顔を合わせたので聞いたが、最大流量は6000m3/sだったとか。水位が高かった割には流量が少ないということをどう考えるべきか?)

閉鎖するのに30分ほどかかるのだそうだ。夜中に招集された水防団の皆さま、お疲れ様。
下部は自重で水密をとるようになっている、ということで、ナルホド。

実際には、水は小陸閘のところまでで防いでいて、長良橋通りを塞ぐ大宮陸閘の閉鎖が、特段に浸水被害を防いだということではないが、、こうした考え方(堤外地に承知で-備えをもって-住まう人があり、計画された高さの堤防を切る形で道路を通して、閘門で対処する)があって良いと思う。
どんなにハード対策を講じても、すべての洪水を河道の中に押し込める、というのは無理。場所(歴史・・地形)にあった、「それぞれの洪水対策」を住民とともに考えて行く・・・・河川法16条の2第3項・第4項は、それを法に規定したということのはずなのだけど、さて現実は。
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次に、長良川大橋東詰近くの水質自動観測所の見学。



せいぜい30年くらいだと思うが、こうも古びるのか?



裏から観測機器のある部屋に。



長良川河口堰反対運動でいわれた「環境」は「生きもの」「生物多様性」「生態系」の問題だった。
批判を受けとめて改正された河川法に盛り込まれた「環境」は、結局「水質基準の数値がどうこう」を超えられていない、だから「渇水で水が少ないときには徳山ダムの水を補給する-環境のため!」という間抜けた暴論(間抜けでは済まない、川を殺してしまう)が、国交省内では通ってしまうようだ。
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昼食は、昨年に引き続き、木曽三川公園(海津)のレストランでの幕の内弁当。
たまたま私たちの前の席が最後に残っていて、主催者たる岐阜県河川課長と担当係長がそこに。担当係長氏、ものすごいスピードで食べて席を立った。別に私たちがいたからではないだろう、いつも「ゆっくりと昼食は食べていられない」生活をしているのだろうな・・・お気の毒。
個人で払えば620円なりのタワー入場券付きあったので、これも昨年に引き続き上ってみた。
天気が余り良くないので、ガラス越しのぼやぼや観全面展開。





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最後に長良川河口堰へ。
毎年毎年でかなり飽きてはいるが、「長良川河口堰県民調査団」なのだから行かないというわけにはいかないだろう。
途中、伊勢大橋から見える長良川河口堰。伊勢大橋は、老朽化が激しく(かつ狭い、大型車両は曲がるのが大変)、架け替え工事が始まっている。

それにしても昨年から(その前年は、河川課が「報道発表資料」のほうには出さずに自分のところのホームページでコソっと募集をしただけだったので、こちらが見落としてしまって不参加)、「平成16年(2004年)洪水では、長良川河口堰Jの水位低下効果は2m」という宣伝が消えたのは何故?
計画高水流量である8000m3/sが流れたのに、水位はHWLより遙かに低かったという事実がマズイから?今回の7月豪雨では、2004年に近い水位なのに、流量は6000m3/sだった、ということと、どう関係し、どう関係しないのだろう???





アユの受精卵をつけた棕櫚の葉を運んで、孵化させて河口堰の下に流すという施設、今年はまだ空っぽ(数日後から始まる)。

全体として見学時間は少なく、早めに帰途に。
河口堰を出発するとすぐ右手に、9月にお邪魔した加藤宅が見えた。
近い。台風で高潮予報が来る度に、ひやひやしながら過ごしているんだな、と改めてその心中を思った。

バスは何故か、国道一号線を東にずんずん・・・高速に乗ってどんどん名古屋市内に近づいていく。あれれ??? と思っていたが、高速伝いに一宮インターから名神高速に敗って、羽島インターで一般道路に降りた。岐阜県庁は、岐阜市内でも南西の外れのほうなので、そこから遠くない。
予定より20分も早く到着して、ちょっとビックリ(以前のように、長良川の堤防道路伝いに北上してくると、まず予定より30分は遅れて着く、という感じだったので)。
名古屋市内の西側まで大回りして、時間は短縮。
何か釈然としないが、職員の残業代&長時間労働の是正、ということを考えたら、高速料金とガソリン代を使っても、このほうが合理的かも。
個人的には、名古屋市内での次の予定に、遅刻せずにたどり着けて良かったけど。
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