4月15日 大牧富士夫さんと語り合う会(2) |
4月15日 大牧富士夫さんと語り合う会(1)
https://tokuyamad.exblog.jp/30552532/
から続く。
◇ ◇
■大牧冨士夫さんについて弊ブログの記事
・徳山ダム堤体盛り立てゼロメートル(0m)の小石~2003.6.7~ [ 2008-12-03 14:26 ]
https://tokuyamad.exblog.jp/9814211/
・新聞記事あれこれ(1) [ 2014-03-31 23:42 ]
https://tokuyamad.exblog.jp/21778034/
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota13/20140217gifushinbun.pdf
人はひるむ、人は恐れる、人は過つ。
私は、大牧さんが書く「ひるみ」を読みたい。
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比較的最近、大牧さんが戦争体験についてカメラの前で語り、その動画をインターネットで見ることができることに気づいた(いつまでインターネット空間に載って居るかは疑問だが)
【動画】語り継ぐ戦争 旧徳山村の少年通信兵だった大牧冨士夫さん
https://www.youtube.com/watch?v=pEPpzhWJS6k
(朝日新聞社/ 2018/07/12 に公開)
ダムに沈んだ岐阜県の旧徳山村(現・揖斐川町)の出身です。1943(昭和18)年3月、国民学校の高等科を卒業した時、同級生32人のほとんどは村を離れ、軍需工場へ働きに出た。僕はただ一人、高等科3年に進み、代用教員として教壇にも立った。
当時、村の神社に対空監視哨という施設ができた。僕も動員され、4人1組で昼夜詰め、敵機を見つければ、電話のある駐在所まで走り、岐阜市の本部に連絡した。でも走っているうちに敵機が岐阜市へ着いちゃう。どこまで役に立ったのか。仲間とだべっているのが楽しみだった。
そんな村の若者が、44年6月、志願して新潟県の村松陸軍少年通信兵学校に入った。村を出て官費で学校へ行けるのが魅力。村を出発する時は、寄せ書きに「誠心必貫」と書いた。真心を貫くという意味です。普通なら「武運長久」と書くところでしょうね。戦死に直結する軍の学校に入るのに、精神修養のつもりだった。
通信兵学校では、銃の使い方、モールス信号、暗号文の組み立て、解読方法を速成で覚えさせられた。教官は、アース線が凍結する酷寒の旧満州での体験を語った。無線機を前に、「(玉砕した)サイパンからの最後の通信で使われた機種と同じだ」と説明された。戦闘になれば、爆弾を抱いて戦車に飛び込めと教えられた。鉄拳制裁で殴られたこともある。
1期上の先輩は、本来3年の訓練期間を1年弱に短縮し、繰り上げ卒業した。44年11月、フィリピンに向け、南方特別演習隊要員として完全軍装をして校門を出ていった。戦後知ったが、出発から9日後、五島列島沖で輸送船が撃沈され、315人中116人が死んだ。最近、ルソン戦で生き残った元少年通信兵にも会ったが、「何のために行ったんだろう」としみじみ話していた。
僕は45年8月末に卒業し、本土決戦要員になるはずだった。しかしその直前、終戦の玉音放送があった。難解で最初は何も分からなかった。「銃の検査がない」とほっとしたくらい。雨で銃をぬらし、菊の紋章にしみができ、困っていたからだ。
その後もしばらく、学校にとどまった。歩哨に立ち、学校の畑でカボチャ泥棒を見つけ、着剣した銃で追いかけたことがある。班長が止めてくれなかったら、突き刺していたかもしれない。もう少しで人を殺し、一生苦しむところだった。いつの間にか、僕も変わっていたんですね。戦後は、郵便局員や業界紙の記者をした後、徳山村の小中学校で教師をした。
◇ ◇
大牧冨士夫さんはプロレタリア文学に造詣が深いことで知られている。
●中野鈴子 付遺稿・私の日暮し、他
幻野工房 刊行年 1997
2007年~2009年にかけて(ちょうど村が水に沈められていく間)、
編集グループ〈SURE〉
http://www.groupsure.net/
から3冊の本を出された。
●ぼくの家には、むささびが棲んでいた
──徳山村の記録
http://www.groupsure.net/post_item.php?type=books&page=ohmaki_bokunoie
●あのころ、ぼくは 革命を信じていた
──敗戦と高度成長のあいだ
http://www.groupsure.net/post_item.php?type=books&page=ohmaki_anokoro
●僕は村の先生だった
──村が徳山ダムに沈むまで
http://www.groupsure.net/post_item.php?type=books&page=ohmaki_bokuha
昨年の晩秋、風媒社から句集を出された。
●大牧冨士夫句集 庭の朝
http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=5357-7
大牧富士夫さんと語り合う会の最後に大牧さんから参加者に配られたもの。
●4月15日 大牧富士夫さんと語り合う会(1)
https://tokuyamad.exblog.jp/30552532/
●4月15日 大牧富士夫さんと語り合う会(2)
https://tokuyamad.exblog.jp/30555923/