木曽川水系河川整備計画変更原案パブコメと長良川の遊水池計画(1) |
とりあえず、昨年11月29日の美濃市「横越」の中州の風景と動画。
今回、長良川の遊水池として位置づけられようとしている。
この写真は中州の下流端を長良川左岸からみたもの。

https://www.facebook.com/100008973008130/videos/2203404253301987/
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木曽川水系河川整備計画策定は2008年。
このブログが開設される前のことで、詳しく記録は残せていないが、河川整備計画策定の前提となる「河川整備基本方針小委員会」(本省内での会議。かの近藤徹氏が委員長を務め、基本高水流量を「従来通り」とするのに辣腕をふるっていたっけ)の傍聴まで含めて、相当しつこくウォッチした。
想定内とはいえ、木曽川水系流域委員会は、中部地方整備局河川部にとっての「無二の御仁」である辻本哲郎大先生と事務方とで方針を決め、公開での議論は、委員の「感想・意見」の交換会。まともに検討の対象とするか、単なる言っ放しになるかは、辻本氏+事務方の判断次第。
この状態は現在の木曽川水系流域委員会も同様。
木曽川水系河川整備計画サイト(国交省中部地整サイト内)
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/index.html
2008年の策定のときは、まさにこの河川整備計画策定に間に合わせるべく、2007年8月に「木曽川水系連絡導水路/上流分割案」が浮上し、「木曽川のヤマトシジミの生存のため」(※)だとか「長良川のアユの産卵を確保するため」だとか、科学的には「話にならない」ほどアホらしい知勇を持ち出して木曽川水系河川整備計画に位置づけられることになってしまった。
※この”理由”につき、関口秀夫委員は「(底生生物の)専門家として、到底同意できない」ときっぱり言っていた。
だが、事務方は「歴史的経緯があって~」とかゴニョゴニョと説明すると、「木曽川のヤマトシジミの生存のため、という非科学的理由でないのなら良い」と結局は引っ込んでしまった。だが、木曽川成と地点で50㎥/秒(当面の目標として40㎥/秒)の流量を確保、という根拠資料には「木曽川のヤマトシジミの生存のため」が明確に挙げられている。役人は「学識者」を丸め込むために、話をずらしたり誤魔化したりすることにおいて「専門家」なのだ。
このとき、「治水」で、長良川基準点(忠節)洪水流量の調節のために、遊水池で200㎥/秒をカットする、ということになっていたのだが、この具体的な場所には全く言及がなかった。
このことは、私は当時も問題にしたし、2010年の「内ヶ谷ダム再検証」(ゾンビが復活した茶番劇?)のときも問題にした。
2015年に木曽川水系河川整備計画の変更がなされたが、これは「新丸山ダム」についての変更だけで、遊水池については相変わらずは知らん顔。
この後、2017年から、河川管理者は「点検」とか言い出して、木曽川水系流域委員会を開き始めた。最初の何回かの資料をみる限り、「点検」しているだけで具体性がない。
なので、このクソ忙しいときにウォッチしてられない、と放置していたら・・・なんとなんと・・・
11月20日に今年度第4回の木曽川水系流域委員会が開催されることを仲間が11月14日になってキャッチ。
サイトをみれば、すでに5月から長良川の遊水地について結論的な議論がなされている!!!
令和元年度(キモ!/2019年度) 第1回木曽川水系流域委員会
開催日時:2019年5月20日(月)10:30~11:30
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/ryuiki_tenken/19-1/ryuiki.html
資料-2 長良川遊水地の候補地選定について(PDF:2,690KB)
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/ryuiki_tenken/19-1/data/190520yuusuichi.pdf
(これ以前の木曽川水系流域委員会において、長良川の遊水池についての具体的な議論がなされた形跡がない)
10月7日に中川原近辺の妙ちきりんな(河川整備計画では「竹林広場」として整備するとされている場所の樹木を皆伐するような)工事を行っているところを見(※)、木曽川上流河川事務所に「河川整備計画と異なる工事が進められている、変更手続きがあったのか」とか、比較的シツコク質問していたのに、河川整備計画変更手続きが進んでいることはオクビにも出さなかった。
今回の変更手続きの対象とは別の場所、別のテーマなのだから、わざわざ言及する必要はない、という向こうの言い分は、聞くまでもなくわかってしまうが、「腹の虫の居所」としては良くない。
※長良川の河川工事-なんだかヘンだよ[2019-10-12]
https://tokuyamad.exblog.jp/30863632/
意地でも傍聴し、意地でもパブコメを出さなきゃ、という気になってくる。

令和元年度(キモイので→2019年度) 第4回木曽川水系流域委員会
開催日時:2019年11月20日(水)15:00~17:00
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/ryuiki_tenken/19-4/ryuiki.html
資料-2 木曽川水系河川整備計画変更原案(案)の概要について(PDF:2,746KB)
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisosansen-plan/ryuiki_tenken/19-4/data/191202keikakuhenkougenan_gaiyo.pdf
パブコメをとるための変更原案を決定するための委員会であって、ここではすでに長良川遊水池の場所については決定済みという扱い。
でありながら、委員長以外の委員の発言を聞いていると、どこまで理解しているのか(関心があるのかさえ)、わからない。

結局、このときの資料に出された「変更原案(案)」は【委員長+事務方】で修正して「ご意見募集」にかけるということになった。
日本で行政が設置する各種「委員会」の類いは、「公開の場はセレモニー/委員長(座長)と事務方で密室で話を詰める」という悪しき”常識”があるが、ここでもやはりそれが出ている。
◇ ◇
続く

(1) https://tokuyamad.exblog.jp/31032444/
(2) https://tokuyamad.exblog.jp/31033407/
(3) https://tokuyamad.exblog.jp/31034268/
(4) https://tokuyamad.exblog.jp/31034411/