恒例 岐阜県治水関係事業費(2019年度) |
毎年、岐阜県河川課からこのグラフと数字(エクセル表)を貰っている。
2019年度 岐阜県治水関係事業費
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota13/H10-31chisuijigyohi.pdf
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毎度シツコク。
ハコモノと土木工事に大盤振る舞いをした梶原県政の下、H10年度(1998年度)には500億円にも達していた岐阜県治水関係事業費は、どんどん減り、災害復旧工事で補正予算がつくことはあるが、当初予算は120億円~130億円というあたり。
一時期は岐阜県は「起債許可団体」に転落したくらいだ、はっきり言って「カネがない」。
その一方、トンデモな支出を抱えている。徳山ダムの「建設事業費」である。
ダムの建設費のうち、水源開発に係る分は、「完成後」、23年ローンで返済する。利息が付くので工事中から償還を始める場合もあるが。
要らない水だから、買い手はない。地方財政法6条によれば、公営企業に係る支払いは、一般会計とは別に企業会計から支払わねばならない。しかし岐阜県には徳山ダムの償還分を賄う規模の(水道)企業会計はない。なので、「一般会計からの支払い」という地方財政法6条違反をずっと続けることになってしまっている(こんなことは徳山ダムの本体工事着工前からわかりきっていた)。裁判所は「いつの日か、ひょっとすると徳山ダムの水を使うことが出てきて、一般会計に返すこともできる可能性が絶対にないとまではいえない」というわけのわからない理屈でこれを追認した(この手の「~ないとまではいえない」式の可能性でいうなら、東南海トラフ地震で徳山ダムの堤体が崩壊する可能性も「絶対にないとまではいえない」。こちらのほうがよほど現実味がある)。
また、治水分については毎年毎年の工事ごとに支払うのが原則なので、完成したら支払わなくてもいいはずである。
しかし岐阜県は、徳山ダム事業費増額(2540億円→3500億円。2004年度)のときに、あまりにも巨額の「治水分」を引き受けたために県債を発行してしのいだ。この分の償還がずっと続くのである。
この徳山ダム建設費支払い分と、岐阜県治水関係事業費は直接は関係はしないはずである。しかし経緯からいえば、河川課(課長は建設省・国土交通省の課長補佐クラスの出向ポスト)主導で、徳山ダム建設推進をしてきた。
他の部署からすれば、この「徳山ダムの重荷」は河川課の所為だ、と言いたい。予算配分のときに「徳山ダムの支払いは、は水資源課のほうであってウチは関係ないから、もっと予算を」と声を大にして言いにくい・・・
私は、河川事業はおろそかにすべきではないと考えている。「治水は国家の要諦」なのだ。ただし、「河道にすべての洪水を押し込める」治水は旧すぎる(2000年の河川審中間答申をみても「河道にすべての洪水を押し込める」治水の大胆な方向転換が示唆されている)。仇敵(旧敵?)ではあるけれど、「河川事業はおろそかにすべきではない」と声高に言う「河川政策の理解者」に「ウチは必要なお金が足りない」ことを知って欲しいのだろう、と推測している。
私は声を大にして言う。
「無駄で、自然破壊が甚だしいダムを造れば、誰のためにもならない。未来にわたって負の遺産を遺すだけである」。
内ヶ谷ダム・・・予算が膨らむばかりで役に立たない、貴重な長良川の源流部が壊された。
石木ダムは、現にそこに人が暮らしているのだ、長崎県は一刻も早く、石木ダム建設を中止せよ!
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《過去の《岐阜県治水関係事業費推移グラフ」関係記事》
・2018年の記事
「岐阜県 治水関係事業費」今年度のグラフ[2018-06-12]
https://tokuyamad.exblog.jp/29847030/
・2017年の記事
2017.5.26 岐阜県河川課交渉&治水事業費グラフ[2017-06-03]
https://tokuyamad.exblog.jp/27903042/
・2016年の記事(2015年分も)
恒例?「岐阜県治水事業費推移」グラフ(1)[2016-05-31]
http://tokuyamad.exblog.jp/25285597/
恒例?「岐阜県治水事業費推移」グラフ(2)[2016-06-01]
https://tokuyamad.exblog.jp/25285597/
・2014年とそれ以前
「徳山ダムの今」その続き [ 2014-07-12 23:37 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/22504468/
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