徳山ダムは「治水&発電のためのダム」ではない |
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2021年 07月 21日
観光放流のときくらいしか報道にその名称も出て来なくなった徳山ダム。 珍しく岐阜新聞が過去も含めて書いた・・・が・・・ ★岐阜新聞2021年07月19日 09:59 貯水量は浜名湖2つ分、日本一誇る徳山ダム 治水と発電担う (写真)国重要有形民俗文化財に指定されている「徳山の山村生産用具」。当時の生活を知ることができる=揖斐郡揖斐川町東横山、徳山民俗資料収蔵庫 (写真)浜名湖二つ分という日本一の総貯水量を誇る徳山ダム。西濃地域の治水や発電を担っている=揖斐郡揖斐川町(水資源機構提供) ◇ ◇ ネット上の記事を読む限り、徳山ダムが「治水と発電」のダムに化けた(新規開発水は一滴も使われていない)ことの問題性には言及していない。 地元紙であり、徳山ダム事業の紆余曲折に詳しい記者もまだ残っていると思うのだが・・・?????である。 徳山ダムは「水資源開発促進法」に基づいて、水資源開発公団が建設したダムである。(2003年10月からは、後身の(独)水資源機構が建設を引き継いだ※1)。「水資源開発促進法」に基づいて水資源開発公団が建設する以上、新規水資源開発(主に都市用水開発)が必須である。水資源開発が消えたら、水資源開発公団は手を引くしかないのだ(多目的ダム一般とは違う)。丹生ダムはすべての利水者が「水は要らない」と言い出したために、国交省が一般の多目的ダムとし残そうとあれこれ画策したが、結局は建設中止となった。 もう少し言うと、1990年代には、水資源開発公団が工事に着手していた(ことになっている)8つのダム以外のダムは建設しない、となっていた。長良川河口堰の大反対運動の中で「水余り」は明白となり、「水資源開発」を諸目的とするダム建設は大義名分を失ったからだ。 ※1 (独)水資源機構は、すでに開発した水資源の管理(施設管理を含む)が業務であって、(1990年代に例外として残した8つのダム以外には)新たな水資源開発を伴う施設建設を行うことはできない。だから「徳山ダム導水路」のような「水利用のための」施設建設事業に固執する。施設管理だけでは、よほど「寂しい」らしい。 話を戻す。 新規開発水は一滴も使われていない「治水と発電」ダム・徳山ダムというのは、「水資源開発促進法」に基づくダムである以上、計画の完全な破綻であり、違法状態といえるのだ。「『治水と発電』にいくらかは役立っているから良い」というものではない。「計画の完全な破綻」を直視し、なぜそうなったのか、を検証することなしに、情緒的に風景の話やら、移転させられた住民の思いだけを語るのは、報道としては片落ちである。 「建設中は確かに新規開発水は使われる見通しだったのに、社会情勢は一変して、使われなくなってしまった」という話ではない。徳山ダムが「本格着工」する前の、徳山ダム建設事業審議委員会(1995年12月~1997年2月※2)の中でも、1996年10月には、名古屋市が「水利権半分(3㎥/s)返上」を言い出した。なんせ1995年に「本格運用」となった長良川河口堰の水を使う当てもないのだから当然である。岐阜県でも岩屋ダムの水は余らせっぱなし(水が売れないから一般会計から償還するという地方財政法6条違反の状態)だった。要るはずのない水を「要る」と言い張って、徳山ダム建設を強行したのだった。 ※2 徳山ダム建設事業審議委員会パンフ 委員の顔ぶれからして、設置されたそときから「事業GO」の結論は見えていたが、建設省としては(他の事業審議委員会に比べても)フルメニューをこなし、当時としては画期的ともいえる情報公開に努めたことは認めても良い。 ◇ ◇ 1957年には電源開発が落差の大きい発電効率の良いダムとして、徳山ダムの構想を描いた。しかし、巨大ダムだけに巨額となる建設費は発電だけではペイしない。そこで当時は「今後、いくら開発しても足りない」とされていた都市用水の開発を乗せることでダム建設の経済面がカバーできるとして、調査が進められ、1976年に水資源開発公団が事業を承継した。 当初、15㎥/sの新規水資源開発といって、この巨大なダムを計画した。名古屋市の「水利権半分返上」を受けて、1998年には12㎥/sとなり、2004年の建設費増額のときには、とうとう6.6㎥/sまで新規利水分は減った。 普通なら、主目的が当初の44%まで減ったのだから、ダム規模を縮小するなどの見直しがあってもおかしくないのに、そのまま6億6000万トンのダムを造ってしまった。 2000年代に入って、徳山ダムの工事は本格化していた。年間事業費も大きい。従来事業費=2540億円のままでは足りるはずがない。 しかし、事業者(=水資源機構)は、次年度(2004年度)の建設事業費が完全に足りなくなる2003年8月まで、事業費増額(=関係自治体や省庁の同意が必要な計画変更/フルプラン変更)に言及することなく伏せておいたのだ。冷静な議論を封じ込め、「このままでは来年には工事が止まってしまうぞ」という脅しで同意を取り付けようとした卑劣さが透けてみえる。 ・「やめよ!徳山ダム」52号 2003.6.10 (PDFファイル) ・徳山ダム建設費1010億円増額問題に対する私たちの見解 2003.8.8 ・「やめよ!徳山ダム」53号 2003.8.9 (PDFファイル) ◇ ◇ ついで:事業評価監視委員会の委員が慌てふためいて、「増額幅が大きすぎる」などと言っていたのは笑止。徳山ダム事業審議委員会のときから「2540億円では足りない」ことは水資源開発公団も建設省も言っていた。しかし「どれだけ足りないか。新事業費はいくらになるか」を言ってはいなかった。それを質そうともしないで「事業継続OK」としてきた事業評価監視委員会のおバカぶり(無能な御用学者ぶり)をさらけ出しただけである。 とはいえ、おバカぶりを揶揄するだけでなく、ごく真っ当な「意見書」も提出している。 ・事業評価監視委員会への「徳山ダムを辞めさせる会・意見書」(2004.10.6) ◇ ◇ 「ここまでやってきて、今さらやめるわけにはいかないだろ?」・・・日本の政治も役所もこれには実に弱い。パンデミックの中でも「今さらやめられない」から五輪を強行してしまのだ(人々の命はもちろん、彼らにとって大事なはずの損得勘定すらも放棄してしまっている。「今さらやめられない」の威力は凄まじい) 愛知県も名古屋市も、すでに確保してしまった長良川河口堰の水の使い途もなくて困っている。要らない水のための支出増額はおいそれとは呑めない。そこで繰り出したのが「利水分を減らして支払い総額は大きくしないようにしてやる」という手である。洪水対策容量を増やしただけでは数字の辻褄が合わない。名古屋市の「水利権半分返上」のときに「渇水対策容量」という不可思議なものを入れ込んだが、さすがにこれをさらに膨らますことはできず、下流横山ダムの不特定容量を振り替える、ということもやった(これで横山ダムの洪水対策容量を増やして、「揖斐川は安全になる」という話にしたのである。これをいうなら、旧来の「工事実施計画」のままではできないはずで、1997年の河川法改正の後も放置してきた河川法16条による河川整備基本方針策定、16条の2による河川整備計画策定をしなければできないはずである、ここでも脱法行為が行われた)。 ・徳山ダム容量配分の変遷 (PDFファイル) 「急ぎ事業費増額の計画変更を呑まないとダム建設が止まってしまう(ダムができなかったらこれまで支出が無駄になる。完成に遅れが出ても工事費がかさむ)」「利水分を減らせば(水1㎥単価は上がるが)負担額そのものは対して増えない」と愛知県と名古屋市を説きつけた。 それでも、2004年度の政府予算案までには、フルプラン変更は間に合わなかった。財務省は「法的裏付けのないものに予算はつけられない」として、旧来の事業費の残額93億円のみを予算とした。このままでは工事は止まってしまうはず、彼らが止めるはずはない、どうなっているのだ?と調べまくったら、「治水特別会計の項の間の移用」という滅多に使わない荒技を使うことで財務省と話がついていたのだった。 ・声明:密室の「3県1市の調整」及び改正河川法を僭脱する「新計画」に抗議する(2004.4.27) ・水害常襲地域の河川改修費を削って徳山ダムに投入! 2004年度徳山ダム事業費追加分87億円の捻出問題 (PDFファイル) 不特定容量も含めた「治水分」を増やしたために、地元・岐阜県は直轄負担金をモロ被ることになった。このことの惨状は カテゴリ:現在の徳山ダム で、毎年のように述べている通り。 ◇ ◇ 名古屋市や愛知県が(要らないのに)「確保」した徳山ダムの水を使うには、長良川を越して「導水」しなければならい(木曽川水系連絡導水路=徳山ダム導水路)。 この導水路は、例の民主党政権時の「再評価」がいまだに終わらず「凍結」中だが、水資源機構は「木曽川水系連絡導水路建設事務所」をは維持し、いつでも「解凍」できるようにスタンバイしている。要注意である。 <参照> カテゴリ;導水路問題 ・10月6日 徳山ダム導水路ツァー[2018.10.14] <資料>2018.10.6徳山ダム導水路見学ツァー 資料 ◇ ◇ 徳山ダムは他にも「問題」を抱えている。 ☆公有地化問題 ”山林公有地化”によって「手入れする人がいなくなる山林を荒れないように行政が手入れするのだ」と宣ったけど、いまだ買収も終わらず、行政は「山林の手入れ」をしていない。 ・徳山ダム山林公有地化問題は終わっていない[2014.04.01] 「やめよ!徳山ダム」65号( 2005.10.12 ) ☆底水の「毒水」問題 ・徳山ダムの水は「品質保証」されていない[2013.11.07] ・続 徳山ダムの水は「品質保証」されていない[2013.11.25] 筆者は「徳山ダム撤去」とは言わない。どう考えても、堤体の膨大な土砂をどこにも移すことができない。 「水を抜くべきだ」とも言わない。下流に流れ出たら大変な環境汚染を引き起こすであろう「毒水」が底に溜まっているから。 ずっと先の未来には、上記について技術的な解決策ができることを祈っている。 徳山ダムは、無理やりトンデモナイものを造ってしまうと、とてもではないが「解決」できない、より大きな問題を発生させる、という典型だ。 <参照> カテゴリ;現在の徳山ダム問題 カテゴリ;過去の徳山ダム問題 徳山ダム建設中止を求める会 アーカイブ ◇ ◇
by tokuyamadam
| 2021-07-21 23:28
| 現在の徳山ダム問題
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