11年もこのアホな「テロ対策」を続ける妙な執念(頭の固さ?)に恐れ入る。
大量の人びとに毒入りの水を飲ませるという「毒物テロ」をやりたい狂信的テロリストが存在すると仮定して(この想定がキモイ。関東大震災の時の「朝鮮人が井戸に毒を放り込んだ」という”流言飛語”と発想が通底している?)、そいつなら(浄水場は塀や門があるし、夜中でも人も居そうだから避けるとして)、取水口を狙うほうがよほど「効果的」だ。一滴も水道水には使っていない6億6000万トンの水瓶に毒を仕込んでどうするの?
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・徳山ダムでテロ対策 訓練!!![2009.11.05]
余りのバカバカしさに身悶えしてしまう。(中略)
総貯水量が6億6000万m3のこのドデカイ水瓶にペットボトル入りの毒物を投げ込まれると、下流に被害を及ぼす「テロ」になるのだろうか?
ペットボトル数本で6億6000万m3もの水に影響を及ぼし、回収するのにこんな防護服を着ないと危険な毒物。どういう毒物を想定したのだろう? 相当危険なものを想定したのだろう。「テロリスト=犯人」自身も相当に危険なはずだ・・・SUICIDE ATTACKというわけか?
SUICIDE ATTACKを覚悟するなら、こんな山奥で「効果」の定かでないことをやるのではなく、もっと人の多い大都市繁華街で「毒物散布」を考えるのではないだろうか(中略)
仮に徳山ダム導水路が完成して徳山ダムの水道水、愛知県分=2.3m3/S 名古屋市分1.0m3/S が木曽川に流れるとして、その水を犬山頭首工で、あるいは朝日取水口で取水するときには、木曽川本流の大量の水の中に混ぜられる。どんな危険な毒物を想定したのかは定かでないが、「ペットボトル」で運ぶ程度の薬物を徳山ダムに散布したとして、果たして取水口でその毒物を特定できる濃度になるのだろうか(希釈されて「測定不能」の値以下になるとしか思えない)。
検出不能なら安全だ、と言いたいわけではない。 問題は、行政の側の恣意的なダブルスタンダードとその裏に潜むものだ。
市民側が(上流部の産廃不法投棄などを指摘して)「河川の水質は大丈夫か、心配だ」というようなことを言うと、行政は必ず「水質基準はクリアしている。そちらが挙げた物質は濃度測定できないほど微量(or 検出不能)。つまり存在していないも同然、だから安全だ」と言う。
この普段の行政の対応と、11月4日のものものしい「毒物散布テロ想定訓練」との著しい落差は何だ?
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・徳山ダムで水質テロ?毎年の訓練で何を誘導するのか[2015.12.11]
6億6000万トンの水を湛える徳山ダムに、人間が持って歩ける程度の毒物を放り込んで人の健康に害を与える、という「テロリスト」が存在しうる?
「毒物も薄めれば害はない」という「希釈の論理」で、企業がアブナイものを環境に放出することには、実に鷹揚な行政が、こういう想定をする?
徳山ダムの水は一滴も飲用水としては供給されていないのに?
本当に毒物で多くの人に害を与えたいと考える「狂信的テロリスト」がいるとしたら、名古屋市や愛知県が木曽川から水道水を採り入れる場所を選ぶのではない?
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毎年晩秋か初冬にこの「テロ対策訓練」をやっているらしいが、毎年写真入りの記事になっているわけではない。
久しぶりに大きい写真入りの記事が載って、またまたアホらしさに「身悶え」した次第。
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