”コロナ”などもあって久しぶりに大勢での観察会が開催できた。
参加者20名。
観察指導:千藤克彦さん。
20220521長良川下流域環境観察会 パンフ
前日の予報では「午後は雨」。当日は大垣を出るときに強い雨。
参ったなぁ、と思ったけど、岐阜駅~車に同乗させて貰った頃には小雨になって、集合場所(「七里の渡し公園」駐車場)に着いたときには、どんよりした曇り空ではあるが、雨は降っていない。良かった!
◇ ◇
駐車場のすぐ傍の「日の出」港で乗船。
七里の渡し跡から、少し遡った水路に面した乗船場。
水路に面した石垣の上の家々には、それぞれ水路に面した出入り口がある。大垣でさえ、旧い家には水路への出入り口が残る。多分「車社会」になる前は、水路こそが交通の要だったことを物語るのだろう。
今は防潮堤があって、川から直接は見えにくいが、お城の櫓と神社がある。
重要な目印だったと思われる。
防潮堤を越えて、水路から、揖斐川本川に出る。風がないので、快適。
◇ ◇
まずは揖斐川4km地点で採泥。
水深5.5m。エクマンバージで20cm×20cmの川底の砂を採取。
手触りも、ここは「砂」である。小さなシジミが18個。酸化還元電位は+115mv。
ヨシに覆われた中州を回って、長良川4km地点に移動して、川底から採泥。
水深3.9m。ここでは、手で触るとネチャネチャした「泥」である。それでもドブ臭はない。比較的最近の雨で、少し「キレイに」なっているのだろうか。小さなシジミが2個。揖斐川にいたのと同種らしい。
でも、この泥の酸化還元電位は-211mv。これでは生き物は生息し続けることはできない。
◇ ◇
長良川河口堰の閘門を、上流側へと通過する。
下流側の水位で船を入れてから、下流側のゲートを閉めて水を入れて、上流と同じ水位まで持ち上げる。
その後、底の塩水を抜いてから、上流側のゲートを上げる。この「塩抜き」にいつも以上に時間がかかった。「塩水を一滴も入れないこと」が自己目的になっているから、そこだけはやたら丁寧、ということか?
◇ ◇
ヨシはますます「歯抜け」「息も絶え絶え」状態である。
河口堰を上流からみると、1株だけ孤立したヨシが見える。数年前までは、近くに数株あった。だんだん減っていく。来年はこの株も存在しているのかどうか。
知多半島に水道水を送る取水口。木曽川の上流・兼山から取水している工業用水は、まだ余っている。全量を兼山からの水に切り替えても足りる(長良川河口堰の水は要らない)。この取水口に「1滴の塩水も入れない」ために、汽水域を徹底的に破壊し、試験開門も許さない…どう考えても「おかしい」。
◇ ◇
河口堰の閘門を下流に向けて下る。
待たされ時間は、上りより少し短縮されたか。とはいえ、いつまでもゲートから水が垂れていたのは参った。
絶滅危惧種になってしまったコアジサシが横切ったが、撮影できず。
コサギがそこそこいたが、意外にカワウは少ない・・・「要するに食い物(エサ)がない、魚がいない、ということだ」とKさん。
「豊かな」の反対、貧しい河口域になってしまった、ということか。
港に向かって帰る。
観察会の午前の部は無事終了。
午後に雨は降り出すか・・・とにかく各々昼食を摂る。
(続く)
◇ ◇
午後の「カニ捕り」のときに、ヨシ原のはずの場所にこんな花が: