4月3日、リニア残土処分場(埋め立て)の候補地となっている御嵩町の美佐野のハナノキのある湿地(重要湿地)の見学に参加する機会がありました。
ギフチョウにも出逢って、幸運な「絶滅危惧種観察会」でした。
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「リニア」に関しては、私は、「認可したのがケシカラン」と国相手に提訴した原告でもあり(中間判決で原告適格を否定されたが)、「リニア新幹線」そのものが要らない、造るな、という立場です。
とはいえ、「リニア」を否定しない立場であったとしても、人が暮らす生活環境を破壊する、絶滅危惧種が生息する場を壊す、といった弊害を指摘する声を押し潰すことを是としている人は少ないはずです。
謙虚に耳を傾け、生活環境を破壊しない、絶滅危惧種の生息の場を壊さない方策を模索しなければなりません(そうすると、結果「採算が合わない、造らない方が良い」なるはずです。何が何でも「造る」とする勢力は、地元の声を押し潰し、貴重な自然は「ない」ことにして自然環境破壊を進めようとしています。これは本当にケシカラン)
御嵩町は、1990年代後半、巨大産廃処分場が強引に造られようとしたのを、住民投票で押し返した歴史があります。
このときに動いた「若いお母さん達」のグループから、生物環境に詳しい人も育ちました。案内して下さった篭橋さんもその一人。美佐野の重要湿地のハナノキについてとても詳しい。
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2箇所の処分場予定地に挟まれた場所に、ハナノキがたくさん自生する沢があります。
この日は、そこを歩く見学会。
ゴルフ場の駐車場から尾根に登って、高圧線鉄塔の立つ場所から、埋め立て予定地を見下ろしました・・・が、開けていないので、写真ではよくわかりません。
ここで、早めのお昼。
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この尾根から沢-湿地-に向かって下ったところで、しょっちゅう現地に足を運んでいる篭橋さんでも、この日に新たに20本ほどのハナノキを確認しました。 だいぶ大きくなった木もあれば、幼木も。幼木は”競争”に打ち勝って大きくなれるか?
ハナノキは環境省RDB絶滅危惧II類。
絶滅危惧種と聞くと、なんだか弱々しく聞こえますが、この美佐野の湿地では「消え行く生き物」のはかなさではなく、実にたくましく生きている姿がありました。大木となったハナノキがが倒れた後に、新たに枝を出し、根を出して再生していっています(倒木更新)。
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参加者の一人が歩いている足元に目を向けて「これは蛾?」と詳しい人に訊きました。訊かれた人は「わ、ギフチョウだ」。
足元に羽化したばかりでじっと動かないギフチョウに。
(このすぐ後、別の方角から飛んできたギフチョウが、私たちの一行の間を抜けていきました。写真撮影は無理でしたが。)
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シデコブシは、いつもなら4初初頭が花盛りなのだそうですが、今年は早く咲いて、終わりがけ。
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大きなハナノキには、篭橋さんが印をつけています。
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観察会が終わってゴルフ場の駐車場に戻ってみると、御嵩町の方々の車から、イスやテーブル、お湯やお菓子や、コーヒーや紅茶などが現れて、即席野外カフェ。
懐かしい岡本隆子さんも車で駆けつけて下さいました。
考えて見ると”コロナ”の所為もあって、野外の「観察会」のようなものは、極端に減っています。久しぶりに「知らない場所で新たな発見」があって、大変楽しい一日でした。
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