2024年 06月 04日
2024.6.2 長良川下流域自然観察会 |
毎年恒例の「長良川下流域自然観察会」。汽水域を喪失した長良川と、汽水域のある木曽川・揖斐川を比べ、船で長良川河口堰の閘門をくぐって川の観察を行うもの。

昨年の観察会については
・5/28 長良川下流域環境観察会のレポート
◇ ◇
天気予報は雨。家を出るときは降っていた。何とか雨具なしで観察会を終えられると良いが…
今年は親子連れが3組も参加してくれた。

潮の干満の関係で、午前中に木曽三川公園の立田大橋の傍の川原で、木曽川の水辺の観察。



イトメが土中に出入りしてつけた「穴」がよく見えた。土の中に酸素を供給していることが実感できる。


◇ ◇
河口から10km弱の背割堤で、長良川と揖斐川のカニの生息状況を比べる。
同じ時間、同じ熱意でどれだけカニを捕まえられるか。今年は「3分」での比較。
左のバケツが長良川、右のバケツが揖斐川。

☆背割堤での「カニ捕獲数」(人数18人。時間3分)
<長良川> 総数 4
クロベンケイガニ 4 (メス 4、オス 0)
<揖斐川> 総数58
クロベンケイガニ 14 (メス 2、オス 12)
ベンケイガニ 44 (メス 20、オス 24)


毎年のことだが、長良川の岸辺のほうでは、私は1匹も見つけられない。
揖斐川のヨシ原ではたくさん見ることができるが、すばしこくて捕まえられない…ちょっとコツを掴んだと思ったときには時間切れだった。
◇ ◇
七里の渡しの駐車場に車を停めて、各自、昼食を摂った。
「柿安」が近いので、私はそこのお弁当を食べるのを楽しみにしている。

七里の渡しに入ってくる船の監視などの役割を果たしていた桑名城の蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)。2003年に水門の管理棟として、当時の外観を再現したものを建てたもの。


2階の展示室が開いていたので、上ってみた。当時の外観を模したモノだから、当然といえば当然だけど、窓が小さく、格子は太く、眺望の写真撮影はなかなか難しい。何とか長良川河口堰を撮った。

◇ ◇
2艘の船に乗船。

船着き場の近くの水路二面した家から手を振ってくれたファミリーに、こちらも手を振り返して…。

エクマンバージ採泥器で、河口から4km付近の揖斐川と長良川の川底の状態を比較する。

<揖斐川>
水深2.9m
褐色の砂状(褐色は含まれている鉄分が酸化している色)、小さなシジミも
ORP(酸化還元電位) +205mV

<長良川>
・船A 水深4.5m、
2層に分かれる* 上は褐色・砂状 下は黒色・ヘドロ
ORP -190mV(黒色部分)

・船B 水深4.95m、
黒色・ヘドロ、 ORP -254mV
*2層になったのは、5月28日~29日にかけて出水による河口堰全開操作を行ったときに流れたきた砂が元の川底の泥の表面を覆ったためと考えられる。
以下、長良川河口堰管理所HPより
流域平均累計雨量 : 202mm(5月27日2時から5月28日22時)
河口堰最大流入量 : 毎秒約4,600立方メートル(5月29日2時40分)
全開操作開始時刻 : 5月28日 15時57分
全開操作終了時刻 : 5月29日 22時37分
全開操作継続時間 : 30時間40分
数メートル離れただけの2つの船でも、水深も違うし、川底の状態も違う。
まるで人工的な「水路」であるかのような設定での長良川河口堰管理所の各種調査は、生物多様性の保持・回復には役立たないと感じる。
◇ ◇

長良川河口堰の閘門をくぐって湛水域へ。


周囲をえぐられて”歯抜け”状態のヨシ。これはいつまでもつのだろうか。


また閘門をくぐって戻る。



濡れる覚悟の雨装備で参加したが、結局は雨には降られず、だんだん明るくなってきて、最後は日が差して暑くなったくらいだった。
◇ ◇

◇ ◇

by tokuyamadam
| 2024-06-04 23:45
| 長良川の話題
|
Comments(0)