2025年 06月 05日
2025.6.1 長良川下流域自然観察会(2) |
2025.6.1 長良川下流域自然観察会(1)
の続き。
◇ ◇
昼食休憩後は、当初からの予定*通り、「観察2」のカニ採り。
*当日資料参照のこと
背割堤の両側(長良川側・揖斐川側)で、「同じ人数、同じ長さの時間、同じ熱心さ」でカニを探して捕まえて数を比較する。
長良川側。
湛水域で流れはない。ヨシ原も見られない。

大人ばかりだと1匹も捕まえられないことが多いが、子どもは熱心に捕まえる。
それでも4匹。昨年と同じ。
背割堤の反対側、揖斐川側。ヨシ原が広がっている。

左側のヨシ原に分け入る。


バケツいっぱい。

差は歴然。

☆2025.6.1
背割堤での「カニ捕獲数」(人数27名。時間3分)
<長良川> 総数 4
ベンケイガニ 3(メス14、オス2)
クロベンケイガニ 1(メス1、オス0)
<揖斐川> 総数87
ベンケイガニ 77(メス 39、オス 38)
クロベンケイガニ 10(メス 3、オス 7)
(参考:2024.6.2)☆背割堤での「カニ捕獲数」(人数18人。時間3分)<長良川> 総数 4クロベンケイガニ 4 (メス 4、オス 0)<揖斐川> 総数58クロベンケイガニ 14 (メス 2、オス 12)ベンケイガニ 44 (メス 20、オス 24)
カニをリリースした後も、子どもたちはカニとわかれがたいらしく、いつまでもいじっていて…カニさん、ご迷惑をおかけしました。


◇ ◇
「観察3」。
木曽三川公園の木曽川河岸に。感潮域なので、干潮時には川底が姿を現す。干潮の時間帯にここを観察するようにスケジュールを組んでいる。



◇ ◇
川底の表面に無数の穴がある。(巻貝や二枚貝の殻にもご注目。いろいろな生き物が生息している)。イトメが泥の中に潜っていった痕。


泥を小スコップで縦に掘る。黒い部分は低酸素(還元状態)、スジ状の赤みを帯びているスジがイトメが泥の中につけた痕。酸素が多い(酸化鉄の色)。イトメは、泥の中に酸素を供給する役割を果たしている。


イトメのような生態系の下部を支える生き物は、人間の食べ物にもならない、眺めて美しくもないようなものが多い。こうした生き物は、1980年代くらいまではその存在の重要さをきちんと評価されてこなかった(里山・里川・里海に暮らす人達は経験的に「知って」いた。無知だったのは書物や学術論文には詳しいとされていた学者や役人達だった)。
生物多様性条約が発効したのは1993年。このときには、長良川河口堰の堤体工事は進んでしまっていた。水資源機構・長良川河口堰管理所は、「環境指標」のデータを取り、定期的に発表している。だが「総リン」「総窒素」「クロロフィルa」といった数値を並べただけでは生物相は見えてこない。生態系・生物多様性の変化は追えない。
多分、長良川河口堰は環境に悪影響を与えていない、と強弁したい人達にとっては、「生物相は見えない、生態系・生物多様性の変化は追えない」状態のほうが好ましいのだろう。

環境ということでいえば、今の若者・子ども達は、高度成長期に「経済発展」しか考えて来なかった高齢者より遙かに敏感だ。
観察会の体験が未来に役立ちますように。
◇ ◇
岐阜新聞(2025.6.2)と朝日新聞(2025.6.5)が記事を掲載してくれました。
2025.6.1長良川下流域環境観察会新聞記事
◇ ◇

by tokuyamadam
| 2025-06-05 23:44
| 長良川の話題
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