2025年 07月 08日
2025.7.6 長良川河口堰運用３０年シンポ |
1995年7月6日。
大きな反対運動を押し切って、長良川河口堰の運用が開始された。
それから３０年の「記念日」。
マスコミもシンポジウムに注目した。
★2025.6.27～7.2 岐阜新聞連載
★2025.7.5中日新聞記事
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シンポジウム後の報道。
◇ ◇
☆富樫幸一 「河口堰問題 年表と資料」（2025年増補版）
☆武藤仁 「韓国ナクトンガン河口堰視察報告」
☆宮本博司 「長良川河口堰建設事業に携わった一人としての想い」
☆森誠一 「現存する河口堰と如何に付き合うか」
☆三石朱美 「よみがえれ長良川～生物多様性条約COPの視点から～」
☆蔵治光一郎 「健全な水循環を実現する手段としての流域総合水管理」
◇ ◇
運用開始前年の1995年3月～4月、長島町で「長良川河口堰に関する円卓会議」が、防災・環境・水需要・塩害のテーマで８回開催された。その頃、建設省からの出向で水資源開発公団長良川河口堰建設所長を務めた宮本博司氏が、このシンポのいわばメインゲストである。宮本氏は半分はジョークで「ここに来るのは、正直、少し怖かった。この会場に居られる方々のほとんどは、あのとき”向こう側”に居られた方だったろうから」と。
「円卓会議」は、噛み合う議論にならないまま「もの別れ」に終わったと聞く。
他方、2011年に「村・村コンビ」（愛知県・大村知事、名古屋市・河村市長）が、長良川河口堰を視察して開門に向けた意欲をみせた。以来、長良川河口堰運用３０年の半分以上の期間は（世間的、政治的には「声が大きい」とはいえないが）「開門」議論があり続けているともいえる。
◇ ◇
ちなみに、私は「長良川河口堰反対運動」には加わっていない（そこそこにカンパはしたが）。
私が、「水問題市民運動」に登場したのは、長良川河口堰運用開始後に浮上した「ダム等事業審議委員会」設置の対象に徳山ダムが選定されたからである。いわば「建設省河川官僚のお誘いに乗って（＝期待に応えて）」である。
徳山ダム建設事業には明確に「反対運動」といえるものはなかった。私が大垣に移り住んだ後、徳山ダムについて接した報道は「徳山村民の大部分はダム建設を受け入れ、補償に応じた」というものであった。そう報道されいてはいたものの、どう考えても無意味でなダムで、一村丸ごと水底に沈めるのは不条理・理不尽である。建設省が「中止も含めて見直す」と言うからには、揖斐川流域から「徳山ダム県設事業に異義あり」という声を上げないわけにはいかないと思った。1995年12月、大垣市民４名で「徳山ダム建設中止を求める会」を立ち上げた。
私は、「長良川河口堰反対運動」に直面した建設省河川官僚たちが、「河川行政のあり方を変えねばならない」と本気で考えて取り組んだのだと評価している（”ダム反対派”の主流の「ダム等審議委員会はお墨付き機関だから批判・攻撃すべき」「河川法の改正条文に流域委員会設置の義務づけがないのは、河川行政を変えるなどというのは口先だけだという証拠」といった言説には与しなかった）。同時に、”改革派”河川官僚の主観は善意だとしても、目に見えるような河川行政の転換はできないと見ていた。霞が関官僚の力で大きな転換ができると考えるところからして、霞が関官僚の思い上がりに他ならない。本質的な政治的力関係（権力関係）は、もっと根深く地域に突き刺さっていて、中央官僚の一部分が騒げば本質的な転換が可能だというシロモノではない。
◇ ◇
中身が盛り沢山で、時間はタイト。「鬼のタイムキーパー」を務める羽目になった。
それぞれの発言者が、時間をよくわきまえてくれて、短時間で内容の濃い話をしてくださった。
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10年前の運用開始20年については以下。
☆国交省中部地整ＨＰ「長良川河口堰の運用開始以降20年が経過」
国交省中部整備局トップ ＞ 河川部トップ ＞ 中部地方ダム等管理フォローアップ委員会 ＞ 長良川河口堰について
・ 長良川河口堰の運用開始以降20年が経過
・長良川河口堰の経緯
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追記：2025年8月1日。中日新聞岐阜県版に大きく載った。
by tokuyamadam
| 2025-07-08 23:07
| 長良川の話題
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