大垣市内の水辺にみた『斜陽』 |
大垣は「水の都」と言われている。
豊富な地下水や名水の話、洪水の話、さらには水門川の傍に落とされた模擬原爆の話はまた別の機会としよう。

市内のどこかしこに水路があり、小さな水路かと思えば、地域の歴史に名を残す川だったりもする。
さて、自宅のすぐ北側は、牛屋川という自然河川である。隣町の「今岡町」は、この牛屋川が洪水の際に運んだ土砂で形成されたそうだ。今のこの姿からは想像もできない。
ご近所の60代以上の方は、この牛屋川が♪小鮒釣りしかの川♪であった、と語る。これを「街中に草ぼうぼうの土手なんて・・・」ということで今のように”きれいに”(=コンクリート三面張り)にしてしまったらしい。
この牛屋川は500mほどで「奥の細道結びの地/住吉灯台」近くの水門川に合流する。(「奥の細道結びの地/住吉灯台」のこの写真は、中部地方整備局のHPから頂いた-実は18日(土)にほぼ同じアングルでケイタイ写真をとったが完全に「負けて」いるのでこちらをアップ)


ここは小公園になっている。時にタライ船などを浮かべてお祭りもする、「水都大垣」の一つの中心的な場所である。
餌を撒けるようになっていて、たくさんの鯉がいる(これらの鯉は自宅裏手の牛屋川にもやって来る)。何やら牧歌的で、「良い話」のようだが・・・派手な色の錦鯉に注目。明らかに背骨が変形している。多分相当危険な化学物質がここに流れ込んでいるのではないか、と想像してしまう。

その小公園からほんの少し北に大垣市役所があり、市役所の裏手を水門川が流れている。タライ船も通るのだが、完全にコンクリート三面張りで、それを覆い隠す装いも何もない。道路にはアスファルトを敷き詰め、川をコンクリート三面張りにすることを「シンポ発展」と考えた時代に「大垣地域に徳山ダム水が要る、工業用水も水道水も」と考えたらしい。その妄想に固執した挙げ句に、岐阜県は、使えもしない(使うためには取水・浄水・導水施設を新たに作らねばならない。そんなお金をどこから出す?)水の代金を、今後毎年約23億円、23年間も払っていくのである。

秋の低い日射しで撮ったダメ写真が象徴している、行政の発想法が『斜陽』であることを。