9月25日 前原大臣への要請書を中部地方整備局に渡すアクション |
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9月24日、河村たかし・名古屋市長は、上京し、前原誠司・国土交通大臣に徳山ダム導水路(木曽川水系連絡導水路)事業の中止を直接要請した。各紙が報じている。
(中日・岐阜・読売 PDFファイル版-2枚-)
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毎日新聞

前原誠司国土交通相(右)と会談する河村たかし名古屋市長=国交省で2009年9月24日午前11時20分、丸山進撮影
木曽川導水路:名古屋市長が国交相に中止要請
名古屋市の河村たかし市長は24日午前、国土交通省で前原誠司国交相と会い、揖斐川上流の徳山ダム(岐阜県)の水を木曽川などに流す「木曽川水系連絡導水路事業」を中止するよう申し入れた。市長によると、国交相は「(共同事業者の東海)3県とも話をしたい」と述べ、いずれかの時点で事業の是非を判断する姿勢を示した。
会談で、市長は「私はかねがね導水路は不要だと言ってきた。名古屋市だけ撤退することもできるが、事業をどうするかは大臣の判断だ」と、国として事業中止を打ち出すよう求めた。国交相は「よく勉強させてほしい」と述べたという。
会談後、市長は記者団に「(前原国交相は)2月に予算委員会で導水路はいらんという質問をしている」と指摘。「いきなり中止ではなく凍結というのもありうるのではないか」と述べるとともに、結論が出るまでは導水路の着工はありえないとの見通しも示した。【丸山進】
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翌日の25日、私たち(長良川市民学習会&「導水路はいらない!愛知の会」)は、前原国交大臣への要請書を、出先である中部地方整備局に渡すアクションを行った。

一つの目的は「報道されること」。TVクルーがいくつか来ていて良かった(不発だとツマラナイ)。
中部地方整備局の建物(合同庁舎2号館)は何度訪れたか、数え切れないが、横断幕を持って行ったのは初めて。感慨深い。
提出右
20名くらいが、向こうが用意した会議室に入り、要請書と資料を手渡し。粕谷先生、そんなに丁寧に渡されたら、M専門官がどぎまぎしちゃう・・・・。
翌日の新聞記事は小さなものだったけど、ほぼ全紙に載っていた(3紙のPDFファイル版)。
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要請書は、2つ。
一つは2団体共同で
「長良川に徳山ダムの水はいらない」市民学習会実行委員会(代表 粕谷志郎)
導水路はいらない!愛知の会 (共同代表 加藤伸久、小林 収)
【徳山ダム導水路事業の即時停止を求める要請書】 (PDFファイル版)
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1.国土交通省および独立行政法人水資源機構における「木曽川水系連絡導水路事業」にかかわるすべての業務をただちに停止し次の段階に入らないこと
2.来年度予算ではこの事業の予算をゼロとすること(事業の凍結)
3.速やかに事業の中止に向けた法的手続きに入ること(木曽川水系連絡導水路事業実施計画の廃止と木曽川水系水資源開発基本計画の変更、木曽川水系河川整備計画の変更)
(加えて)
4.この事業を中止する過程で、木曽川水系における過去の河川政策、特に長良川河口堰建設、徳山ダム建設の検証と評価を真摯に行うこと
5.「同じ過ちを繰り返さない」ために、真に住民が参加し、真っ当な内容のある議論をする恒常的な「流域委員会」(河川法16条の2第3項に加えて、第4項の趣旨をもきちんと取り込んだもの)を、木曽川水系において設置すること
そのうえで、3で述べた「木曽川水系河川整備計画の変更」を行うこと
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もう一つは「長良川に徳山ダムの水はいらない」市民学習会実行委員会として
【長良川河口堰ゲート開放に向けての調査を開始する要請書】 (PDFファイル版)
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1.河口堰のゲートを開放し、環境への影響のモニタリングを開始すること。
開放の方法と時期は、下記の組み合わせにより、完全開放へ段階的に進める。
1)開放の方法
1.引き潮時のみの開放
2.上げ潮時の潜り堰
3.上記1.と2.の併用
4.全開放
2)開放の時期
1.優先時期の開放
鮎、サツキマスの遡上と降下の時期
2.常時開放
2.知多半島地域への長良川河口堰にかかわる導水を、水道水源にふさわしい水質の木曽川大堰からの導水に戻すこと。あわせて塩水遡上対策として長良川河口堰にかかわる北伊勢工業用水道の水源を木曽川大堰に切り替えられるようにすること。
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要請書とともに前原誠司・国土交通大臣の他、辻元清美&馬淵澄夫副大臣宛にも資料(本2冊(※)やニュースなど)を渡した。「大臣・副大臣にモノを渡す」というのは、これまでであれば、まず受け付けなかった。確かにあらゆる「国交大臣宛」のものの全部を国交大臣に渡すのは事務的にも容易ではないし、本当に適切なのかどうかも疑問ではある(毎日毎日○万通の要請書や資料が届いたとして、それを全部国交大臣の前に積み上げれば良いというものでもないだろう)。しかし、常に現場(よくて地整局長)判断で処理されていくあり方、つまり市民の声を国交大臣まで届けないで官僚判断で処理するのが「当たり前」というあり方は見直して然るべきだ。
今回は「必ず本省の担当に渡します」という返事だった。つまり「モノが渡っても渡らなくても中部地方整備局の所為ではない、本省の責任だ」ということらしい。「『上』-次官を含めたトップ級-の方針が定まらない以上、地整としてはひたすら責任を回避する」ということなのだろう。
モノの行方も含めて、こちらも、しばし「各方面の出方の様子見」をしてみよう。
※ 「徳山ダム導水路はいらない!」(近藤ゆり子著 風媒社)
「水資源計画の欺瞞~木曽川水系連絡導水路計画の問題点~」(伊藤達也著 ユニテ)
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蜜柑がもう成っている。
